この記事を読んでいただくと、バレエを頑張っているバレエ男子が将来プロとして活躍するために、身長が必要な理由や対策を知ることが出来ます。
プロになるのは背が高くないと難しいですよね。
身長がまだ１５９ｃｍしかありません。
背を伸ばすにはどうしたらいいでしょうか。
初めにお伝えしておきますが、私はバレエの先生ではありませんし、医者でもありません。
バレエを習う2人の娘を約１５年間サポートしてきた母親で、長女はバレエ留学も経験しました。
自分自身は踊れませんが、バレエを観ることは大好きで、可能な限りバレエの舞台を観たり、DVDなどで作品も鑑賞してきました。
同じ教室でレッスンをしていたバレエ男子や、コンクールなどで頑張っている男の子を何人も見てきた親の視点と、観客として舞台を観たときに感じたり思ったりという観客の目線、このふたつ観点から記事を書いています。
また、身長や体型といった外見で人を差別するつもりはもうとうございませんのでご了承ください。
男性バレエダンサーが最低限の身長が必要な理由
そもそも、どうして男性バレエダンサーに高い身長が求められるのでしょうか。
ここは、私が書かなくても読んでくださっている方の方が詳しいかもしれませんね。
理由１．バレエ団へ入団するための身長基準がある
バレエダンサーとして踊るには、バレエ団に所属するかフリーランスとして踊るかになります。
後者のフリーランスは、自身で公演を立ち上げることができたるほど実力があったり、複数人の公演などでメインを飾れるほどの人、もしくは日本であれば全国のバレエ教室の発表会にゲスト出演するといった人が多いかもしれません。
フリーランスの活動をするにしても、まずは実績が必要です。
発表会のゲスト出演をするにしても『元○○バレエ団ソリスト』と書かれるのと無名の場合を比べれば、バレエ団所属の経歴がある方がオファーも増えるし報酬も上がります。
そこでまずはバレエ団に所属することが大事になってきます。
そして、そのバレエ団に入るためにクリアしなくてはならないのが身長です。
男性バレエダンサーのバレエ団の身長基準
バレエ団のダンサーの身長基準を見てみましょう。
国内のバレエ団
| バレエ団 | 男性ダンサーの身長基準 | 女性ダンサーの身長基準 |
| 新国立劇場バレエ団 | １７３ｃｍ以上 | １６３ｃｍ以上 |
| 東京バレエ団 | １７５ｃｍ以上 | １６０ｃｍ以上 |
| Ｋバレエカンパニー | １７０ｃｍ以上希望 | １６０ｃｍ以上 |
| 東京シティバレエ団 | 記載なし | |
| ＮＢＡバレエ団 | 記載なし | |
| スターダンサーズバレエ団 | 記載なし | |
| 谷桃子バレエ団 | 記載なし | |
| 牧阿佐美バレエ団 | 記載なし | |
- 身長基準の記載の無いバレエ団も多いですね。
海外のバレエ団
- 海外のバレエ団は身長基準の記載の無いところが多い
- 記載がある場合はだいたいが男性１７６ｃｍ～１８０ｃｍ以上と高い
（特にヨーロッパのカンパニーは設定が高い）
…女性の身長も高いので仕方ないかもしれませんね
オーディションの際にはＣＶといった履歴書を提出します。
これには必ず身長と体重を記載します。
（これは日本でも同じです）
身長が高い場合はそのままの身長を記載してもかまいませんが、低めな場合は３～４センチ、場合によってはもう少し高く記載したりすることもあるようです。
（推奨しているわけではありません）
まずは踊りを見てもらうために、書類審査で落とされることはできるだけ避けたいですよね。
海外のオーディション情報やCVの書き方などのサポートは、下記の方のサイトが良心的でおすすめです。
有名バレエダンサーの身長
それでは、有名なバレエダンサーの身長はどのくらいなんでしょう？
日本
- 平野亮一さん（英国ロイヤルバレエ団） 186ｃｍ
- 柄本 弾さん （東京バレエ団） 184ｃｍ
- 渡邊峻郁さん（新国立劇場バレエ団） 180ｃｍ
- 熊川哲也さん（Ｋバレエカンパニー） 174ｃｍ
- 二山治雄さん（現在フリー） 166ｃｍ（ローザンヌ出場時）
- 日本のダンサーで公開されている方は少ないようです（特に高くない方は、、）
- 公開されている方を見てみると、ほとんどの方が１７０ｃｍ以上ですね。
海外
- ロベルト・ボッレ 190cm
- フリーデマン・フォーゲル 189cm
- デヴィッド・ホールバーグ 185cm
- セミョーン・チュージン 185cm
- ワディム・ムンタギロフ 185cm
- ジェルマン・ルーヴェ 184cm
- エルヴェ・モロー 183cm
- キム・キミン 183cm
- マチュー・ガニオ 182cm
- アンヘル・コレーラ 178cm
- ダニール・シムキン 174cm
- アレクサンダー・キャンベル 174cm
- スティーブン・マクレイ 173cm
理由２．パドゥドゥをきれいに踊るため
クラシックバレエでパドゥドゥを踊るのに必要な男性バレエダンサーの身長
＝女性ダンサーの身長プラス１５ｃｍ～２０ｃｍ
クラシックバレエではパドゥドゥ（男女が組んで踊る）を踊ります。
女性はトゥシューズを履いて立つと、実際の身長プラス１０ｃｍくらいになります。
更に、女性が手を上に上げてその手をつないだりもします。
仮に１６０センチの女性がトゥシューズで立つと１７０ｃｍ。
手を伸ばせばその先は１８０ｃｍ以上になりますよね。。
それを考えると、男性の身長は女性よりも最低１５ｃｍ以上できれば２０ｃｍは高くないと踊りそのものが美しく見えなくなってしまします。
理由３．役柄を限定されないため
身長が低いと王子役はできない（ことが多い）
クラシックバレエでは、王子様が多く登場します。
白鳥の湖、眠れる森の美女、シンデレラ、、おとぎ話の主役は今も昔も王子様です。
クラシックバレエの舞台は、現実からかけ離れた夢の世界だったり物語を見せてくれるもの。
その舞台で王子様が相手の女性より身長が低かったら、いきなり現実に引き戻されてしまいます。
現実の世界なら、身長が高かろうと低かろうと、お互いが愛し合っていれば問題ありませんが、クラシックバレエの舞台では厳しい観客の目にさらされます。
それらを考えると、やはり王子は女性より背が高くなければなりません。
とはいえ、クラシックバレエに登場する役柄は王子様だけではありません。
身長がそこまで高くなくてもOKな役柄もあります。
もちろん、ペアを組む場合は女性との身長差は考慮されますが、、
- 白鳥の湖：道化
- ラ・バヤデール：金の仏像（ブロンズアイドル）
- 薔薇の精
- ドン・キホーテ：バジル
- ロミオとジュリエット：ロミオ
- くるみ割り人形：くるみ割り王子（演出によって多々あり） など
身長が高くなくてもチャンスはある
身長がそこまで高くなくてもチャンスはあります。
バレエ団が身長の低い女性ダンサーのパートナーを必要としている
レアなケースになるかもしれませんが、例えばバレエ団側に、売り出したい女性ダンサーがいたとして彼女の身長が低い場合、現在いる団員の中に釣り合う身長の人がいなければ、新たに募集をかけることになります。
オーディションです。
下記は、有名なバレエの先生が書かれたブログの記事です。
とても大切なことが書かれています。
そんなチャンスはなかなかないのが現実かもしれませんが、運も実力のうちとも言います。
あきらめずに頑張りましょう。
朝日新聞デジタルに掲載された二山治雄さんの記事です。
ぜひ読んでみてください。
身長がそこまで高くなくてもＯＫなバレエ団もある
海外のバレエ団の身長基準は一般的にかなり高めです。（女性も身長が高いので仕方ない、、）
そんな中でも、主役級の実力もしくは将来性があれば入団できるかもしれないバレエ団も無くはないです。
とはいえ、日本のバレエ団であればもう少しハードルは下がります。
Ｋバレエカンパニーや入団基準に身長の記載の無いバレエ団はそこまで高くない男性も活躍している印象です。
コンテンポラリーダンサーをめざす
身長が低いからコンテンポラリーダンサーへというのは違うと思いますが、
コンテンポラリーであれば、そこまで高身長にこだわらなくてもよいということです。
クラシックバレエが様式美であるとするならば、それらを壊したり崩したりアレンジしたり、全く違うものを生み出したりといった、身体を使い踊りを通して人や物事の内面や世界感などを表現することがコンテンポラリーダンスなのかなと勝手に思っています。
なのでそこには身長とかの制限は必ずしも必要ではないのでは？と考えます。
現在は、クラシックバレエと同様にコンテンポラリーダンスも人気です。
あえてこちらを目指すのもよい選択だと思います。
身長を伸ばすために必要なポイント３つ
- 運動（レッスン）
- 休養（睡眠）
- 栄養（食事）
とはいえ、やっぱり身長がある程度はあった方がよいにこしたことはありません。
身長を伸ばすために大切なことや注意すること・気を付けることを３つのポイントにまとめてみました。
運動・・・レッスンのし過ぎに注意
- 小学生～中学生くらいはレッスンしすぎない
- コンクールに出過ぎない（中学生から年１～２回でも十分）
- 筋トレはしなくていい
日本では、女の子も男の子も小さいうちからたくさんレッスンをしますよね。
特に、バレエコンクールに出るようになると、レッスン時間は倍増します。
レッスンが悪いわけではありませんし、むしろ適度な運動は成長ホルモンの分泌を促してくれます。
問題は練習のし過ぎです。
テクニックを追求して、何時間も練習したり、バリエーションの練習ばかりするとかはもってのほかです。
小中学生の頃のコンクール入賞歴は、バレエ団に入る際にはほぼ関係ありません。
それよりも身長が高い方が重要です。
例えばバレエ団のオーディション時に、身長が１８０センチの人と１７０センチの人がいて、テクニック的にはさほどかわらない、むしろ１７０センチの人の方が上だったとしても採用されるのは１８０センチの人の方なんて良く聞く話です。
小・中学生のうちにしない方がよいこと
- テクニック向上のために長時間レッスンをする
- 筋力を付けるために筋トレをする
- リフトの練習なんてもってのほか
休養（睡眠）・・・寝る子は育つはホント
昔から、『寝る子は育つ』と言われていますよね。
あれは迷信などではなく、根拠のあるから言われ続けているんです。
年齢に応じた適切な睡眠時間
身長を伸ばすために必要な睡眠時間
| 年代 | 睡眠時間 | 起床時間の目安 | 就寝時間の目安 |
| 小学生（６～１２歳） | ９～１１時間 | ７時～７時半 | 20時半～21時半 |
| 中学１・２年生（１２・１３歳） | ９～１１時間 | ７時～７時半 | 21時半～22時 |
| 中学２・３年生（１４・１５歳） | ８～１０時間 | ７時～７時半 | 22時～23時 |
| 高校１～３年生（１５～１７歳） | ８～１０時間 | ６時半～７時半 | 22時～23時 |
| 高校３年生以上（１８歳以上） | ７～９時間 | ６時半～７時半 | 22時半～23時 |
なかなか、現実的ではない睡眠時間かもしれません。。
遅くまでレッスンして、更に宿題や受験勉強などの時間も考えたら睡眠時間は削られがちです。
ただ、世界でみると日本の子どもは睡眠時間が少ない国のひとつなのだそうです。
逆にヨーロッパなどは、子どもの睡眠時間が長いです。
物理的に日照時間が短いといった要因もあるかもしれませんが、日本人ももう少し見習うと平均身長が高くなるかもしれませんね。
何度も言いますが、男性がプロバレエダンサーになるためには、コンクールで入賞することよりも高身長であることの方が大切です。
コンクールレッスンなどを遅くまでして睡眠時間を削ることは、中学生くらいまではほどほどにしていくことをおススメします。
ゴールデンタイムを知って有効利用すべし
睡眠のゴールデンタイム＝眠り始めの２～３時間
睡眠のゴールデンタイムという言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
この時間帯は、血圧や心拍・体温などが低下して、脳も休息している状態＝ノンレム睡眠となります。
このノンレム睡眠中は、深い眠りに入るため、日中の交感神経から副交感神経が優位に立って、成長ホルモンの分泌を促すため、身長を伸ばすためにはとっても大切な時間帯です。
睡眠の質を高めるためにできること
- 過度な運動をし過ぎない
- 夜更かしをしない（朝型を推奨）
- 寝る時の環境（室温・湿度・光・音・香りなどを最適に）
- 寝具（マットレスや枕など）を調整する
- カフェイン入りの飲み物などを控える
- 寝る前（２時間前～直前）はスマホを見ない（ブルーライトは快眠の敵）
良質な睡眠～起床のためのおすすめ品
栄養・・・食事の大切さ
子どもの身長を伸ばすために保護者ができるサポートの最も重要なのはここかもしれません。
身長を伸ばすために取りたい栄養素の代表格はカルシウムですよね。
親世代が子どものころから言われていました。
でも今はカルシウム以外にも必要な栄養素が多くあります。
大きく分けて、骨を伸ばすために必要な栄養素と骨を強くするための栄養素があります。
骨を伸ばすために必要な栄養素
| 栄養素 | 役割 | 食材 |
| たんぱく質 | 骨の土台（軟骨のコラーゲン） の材料になる | 肉・魚・大豆・卵・乳製品 |
| 亜鉛 | 成長ホルモンの分泌を促す | 牡蠣、卵黄、豚レバー、海苔、納豆 |
| ビタミンＣ | コラーゲンの生成に必要 | イチゴ、キウイなどフルーツ、緑黄色野菜 |
骨を強くするために必要な栄養素
| 栄養素 | 役割 | 食材 |
| カルシウム | 軟骨部分に沈着して骨を硬く上部にする | 牛乳、チーズなど乳製品、小魚、干物、モロヘイヤ、小松菜 |
| マグネシウム | カルシウムの吸収と代謝を調整する | 魚介類、大豆製品、アーモンド、ゴマ、ひじき、バナナ |
| ビタミンＤ | カルシウムの吸収を促進する | きのこ類、魚介類 |
| ビタミンＫ | カルシウムの吸収を促進する | ほうれん草、納豆、海藻 |
子どもが好んで食べる物は少ないかもしれませんが、調理方法を工夫したり、美味しく食べれる工夫をしてみましょう。
手軽に摂取できるおすすめミネラル
成長サプリを利用してみる
毎日の食事から必要な栄養素をとるのは本当に大変です。
今は共働きの家庭も増えていますので、食事の準備に多くの時間をかけれないことも多いんではないでしょうか。
私自身もフルタイム勤務で、メニューは簡単に作れるものが多かったです。
栄養も偏っていたかも。。
毎日の食事の偏りを補ってくれるのが成長サプリかなと思っています。
体重や筋肉量は成長期を過ぎても調整できますが、身長は成長期にしか伸ばすことができないのが現実です。
お値段はお手頃なものからまぁまぁするものまでいろいろですが、一生飲み続けるわけではありません。
お子さんの好みやお値段など、ご家庭に合ったものをチョイスしてくださいね。
おすすめ成長サプリメント
※関連記事：【成長サプリ】ジュニアバレリーナに最適なおすすめ５つを徹底比較！
子どもの身長のために親ができるサポート
- 栄養（毎日の食事）
- 休息（快眠・リラックス・送迎も含む）
男の子の身長が伸びる時期は、女の子以上にバラつきがありますよね。
他の子に比べてうちの子は小さいな～と思っても過度に心配しすぎないことも大切かなと思います。
身長を伸ばすということに関して、親がサポートできる主なことは、栄養面と休息面です。
運動面に関しては、バレエ教室におまかせになりますが、レッスンをし過ぎないように見守ることが大切かな～と思います。
なので、あまり小さいうちからコンクールのためのレッスンなどは避けたいところ。
特に小中学生のうちは、休息に重きを置くくらいでちょうどいいくらいではないでしょうか。
体重や筋肉量などは後からある程度調整可能ですが、身長だけは伸びる時期が限られていて成長期が過ぎてから伸ばすことはほぼ不可能です。
お子さんへのサポートは一生続くわけではありません。
のちのち後悔しないように、今できるお子さんへのサポートをしてあげてくださいね。
