この記事を読んでいただくと、どのような子が海外バレエ学校のスカラシップをもらえるかがわかります。
バレエコンクールでスカラシップをもらうことがいかに大変かがわかるので、
保護者として、お子さんのコンクールとの向き合い方や子どもの将来について一緒に考えるきっかけにすることができます。
コンクールシーズンが終わると、結果についても悲喜こもごもな方も多いのではないでしょうか。
スカラシップをもらえる子はいつも同じような顔ぶれの子たちな印象です。
スカラシップをもらえる子の特徴ってあるのでしょうか?
バレエ留学を希望しているお子さんや保護者の方にとって、スカラシップは憧れですよね。
バレエ留学となると、国によってはかなりの費用がかかってきます。
授業料に生活費、渡航費用、保険やその他もろもろ、、、
せめて授業料だけでも免除されたら助かるのにな~、と思っている保護者のかたも多いはず。
そこで、スカラシップ付きのコンクールにエントリーするわけですが、
はっきり言ってスカラシップをもらうことはかなりハードルが高いです。
サマースクールの入学許可を頂いたことはありましたが、スカラシップをもらったことは一度もありません。
コンクール後はいつも親としての無力感に苛まれていた気がします。。
そんな中で、エントリーしたコンクールで毎回スカラシップをもらう子たちがいました。
同じ教室にも他教室にも。
ここでは何年もそのような子たちを見てきて、私なりにスカラシップをもらえる子の特徴を考察してみました。
あくまでも私の主観ですが、あながち間違ってもいないと思います。
親としては、スカラシップを貰える子の特徴を知って、
我が子には期待しすぎずに応援するという冷静なスタンスがマスト。
子どものバレエを子どもの人生の一部ととらえて、長い目、広い視野で見てあげることが大事なんじゃないかなと思います。
とはいえ、当時はそんな冷静な目では見れませんでしたけどね。。笑
スカラシップをもらえる子の特徴:身体面
ここは、生まれ持ったものも大きいですが、努力で少しでも改善できると可能性が出てきます。
私が見てきた中で、ここができている子はスカラシップをもらえる確率がかなり高いです。
海外の審査員はここしか見てないんじゃない?なんて思うこともしばしばありました笑
ただこれは、ここができていない、足りない日本人の中にいるから目立つだけで、
海外へ行けば普通です。
子どもには、親からもらったありがたい素質を過信せず大事にしてほしいなと思います。
ターンアウト(アン・ドゥオール)
海外の先生が審査員のコンクールでは、まずここがチェックされます。
娘たちがエントリーしたコンクールのジャッジシートには、必ずここに「more!more!」とチェックが入っていましたね。。
日本人は骨格的にターンアウトしにくい体型のようですが、日々のレッスンで改善していくことは可能です。
マリインスキーバレエ団の石井久美子さんのYoutube動画です。
日本の教室の教え方との違いにびっくりです。
脚のライン
ひざが出ず、膝うらが伸び、まっすぐ長いひざ下のライン~しなやかで美しい足の甲。
バレエといえばこのラインといっても過言ではない(と私は勝手に思っている)脚の美しさも、日々のレッスンで改善は可能だけれど、生まれ持ったものにはやはり勝てないなというのが実感です。
身体全体のバランス
- 小さい頭
- 長い手足
- 細身の体型
今の子どもたちは、一昔前に比べたらかなりスタイルが良くなっています。
細身の体型に関しては、小さい頃からの日々のレッスンや生活習慣、食事などで改善可能なところですよね。
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スカラシップをもらえる子の特徴:技術面
ここは、私はプロの先生ではないので細かいことはわかりません。
ただ、ここは外せないのではというところをピックアップしてみました。
基礎力
- ポジション
- 柔軟性
- バレエに必要な筋力
- 記憶力(頭の回転の良さ)
コントロール力
- 回転力
- ジャンプ力
- キープ力
- しなやかさ(バネ)
- スピード感
- 舞台の使い方
- コーディネート力(踊り全体のながれ)
スカラシップをもらえる子の特徴:芸術面
音楽性
- 音をとらえる力
- 音楽に対する想像力
- リズム感
表現力
華のある子という表現がありますけど、まさにそんな感じでしょうか。
これが自然にある子とない子がいることは確かです。
小さい頃からの本の読み聞かせや、お人形遊びなんかも大事だったのかな~と
今になって思ったりします。
衣装・メイク
これは実際、娘がジャッジシートに書かれたことがあります。
ジゼルを踊った時、メイクがジゼルじゃないわ!派手すぎ!と書かれてました。。
先生にメイクしてもらったんですけどね。。。
ここだけでスカラシップがもらえないとかではないと思うけど、
マイナス要素は無くしておきたいものですよね。。
スカラシップをもらえる子の特徴:精神面
素直さ
レッスン審査がある場合、ここはかなりみられています。
また、その子が持つ透明感や純粋さのようなものも大切な気がします。
折れない強い心
注意されたり、うまくいかなかったりしても落ち込みすぎない。
できなかったことをできるようになるまで練習して努力する。
マイペース 周りを気にしすぎない
人は人。自分は自分。
良い意味での鈍感力。
かといって孤立するわけでは無く、周りともうまくやれる。
「天然ちゃん」くらいがちょうど良いかも。。
スカラシップをもらえる子の特徴:ひとことでいうと
将来性のある子
この一言につきます。
まぁ考えたらそうですよね。
自分がバレエ学校の立場になって考えたら、そのような将来性のある子に、
授業料無償でいいからうちの学校へきて学んで、将来はうちのバレエ団で活躍してほしい!
と思うのは当然です。
そういう意味で考えると、スカラシップをもらう子というのは、
限られたごくごく一部の人だけというのも納得がいきますよね。
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スカラシップをもらって留学した子のその後
ここで伝えておきたいことがあります。
スカラシップをもらって留学した子がはたしてその後プロになったかというと、
決してそうではありません。
私が知っている子の中では、
スカラをもらって期待されて留学したけれど、
レベルの高い学校で周りも皆レベルが高く、技術的・精神的についていけず、
バレエ自体を辞めてしまった子。
小・中学時代に、何度もサマーや短期のスカラシップをもらって留学したけど、
高校へ入ってからは身長が伸びず体重が増え、スカラももらえなくなり、
プロをあきらめてしまった子。
もちろん中には、チャンスを掴んでプロになった人もいます。
また、スカラではなくても自費留学し、その後チャンスを掴んでプロになっている人もいます。
スカラシップをねらってコンクールに出続けるよりも、、
以前にも書いたことがありますが、スカラシップ付きのコンクールに出ることは否定しません。
今まで頑張ってレッスンしてきたことへの評価は、良くても悪くても今後のレッスンの励みになります。
ただ、スカラシップをねらって、年に何度もスカラ付きのコンクールに出るくらいなら、
その費用で自費留学した方が良いのでは?と私は思います。
スカラシップのあるコンクールはだいたい長丁場の事が多いです。=費用も膨らみます。
中学1~2年くらいまででしたら、1~2年に1回くらいで十分かと私は思います。
スカラ自体も、中学生くらいまではサマーや短期がほとんどです。
中3~高1は、受験との兼ね合いがあるけれど、少し集中して出るのも悪くないかなと思います。
中3、高1でもらえるスカラは、高校1年もしくは2年の夏季講習、もしくは秋入学というケースが多いからです。
ただ、そこでスカラシップや入学許可がもらえなかった場合は、
自分で留学先を探してオーディションを受ける方法も視野に入れて動きましょう。
次の年、次の年とコンクールに出て、またスカラや入学許可をもらえなくて、、
とあきらめていってしまう子も多いです。
また高校生くらいになると、発表会で主要な役をもらったり、パドゥドゥを踊ることになったりすることも多く、
そうなってくると、現状の日本のバレエ教室では費用がとてもかかるので、そのことも考えておきたいところです。
海外のバレエ学校は基本的に18歳まで。
その年齢で、既にプロやユースバレエで踊っている子たちもたくさんいます。
バレエはとても若い芸術です。
踊られる期間も限られています。
せかすわけではありませんが、のんびりしている暇はないかなと思います。
コンクールでスカラシップをもらうハードルはかなり高いです。
スカラシップをもらえず悩んでいるのであれば、
コンクール以外で海外を目指すことを視野にいれてみてくださいね。
お子さんのバレエの夢を応援しています。