この記事を読んでいただくと、子どもが【バレエコンクール】に参加する前に考慮すること=参加する年齢、目的、意義などを親として考えておくことができます。
正直まだ早いんじゃないかと思うんですが、同い年の子たちは皆参加するようです。
コンクールへ参加する際の基本的な考え方を知りたいです。
費用のことも気になりますし。
我が家の場合をお話しすると、娘ふたりの初めてのコンクールは小学校4年生の時でした。
今思えば、少し早かったかな?とも思いますが、参加することによるメリットも大きかったと感じています。
ここでは、バレエコンクールへの参加は何才ころからチャレンジするのがよいのかという事や、
参加する目的や意義について、元バレエママから目線で勝手に考察しています。
そもそもコンクールは何のため?
バレエに限らず、いろいろな分野でコンクールというものがあります。
音楽、アート、文学、建築といった分野から、食べ物、酒類、車などなどあらゆる分野で行われています。
ウィキペディアによれば、コンクールとは、
『特定のテーマを指定して参加者を募り、作品のできばえや技能・演技などの優劣を競う催し。協議会。競演会。英語系の表現:contestとほぼ同義』
とあります。
バレエは舞台芸術なので、スポーツのように点数を付けるのはどうなの?という意見は以前からあります。
とはいえ、音楽でも絵画などでもコンクールは昔からあります。
コンクールがあることで相対的にレベルが上がっていくというのはよく聞く話。
バレエもしかりです。
特にクラシックバレエは、型が決まっているから審査しやすい(語弊があったらすみません)のかもしれませんね。
下記は、【バレエコンクール】のメリット・デメリットを親から目線で徹底考察という記事にも載せたものです。↓
全日本バレエコンクールのホームページに載っていた、1983年の第一回開催時の初代会長の服部智恵子先生のお言葉が、わたし的にとてもしっくりきたのでここに載せさせてもらいますね。
「バレエに限らず芸術というものは、本来、作る人自身の喜びであり、またそれを見る人が楽しむものであって、技を競い合うようなものではありません。
まして順位をつけて、人が人を審くようなことをするのは恐ろしいことです。
しかし、作る喜び、見る楽しみを一層大きくすることは誰しも望むところです。
そのためにはより充実した技術を身につけること、強い精神力が必要でしょう。
そこでどんな芸術の世界でも、その技術と精神の充実向上のための刺激のひとつとして、コンクールやコンテストが行われているのだと思います。
私たちはこの全日本バレエ・コンクールを通じて、バレエの神様に愛されている者、また、今は愛されていなくとも、バレエの神に愛されようと一生懸命努力している者、そして外見だけでなく、心の底から踊り、しかもバレエ美学のきびしい制約に耐えて、常に折り目正しく演技する者、そういう若いダンサーを何人か発見することができたならば、これに勝る喜びはありません。」
コンクール出場は何才から?
今の日本は、バレエコンクールがとっても盛んですよね。
娘が習い始めたころは数えるほどしか無かったコンクールが、少しずつ増えていって、今では毎月全国のどこかで開催されていますね。
保護者としての悩みどころは、次のみっつが多いのではないでしょうか。
- 何才から出場するのがよいの?
- どんなコンクールに出るのがよいの?
- いくらくらいかかるの?
結論を先に言うと、ケースバイケースということになります。
なにそれ?答えになってないじゃん!って感じですが、、
コンクールに出場する際に、保護者が考慮すべき大切なことは下記になるかなと、わたし個人としては思っています。
1.こどもの成長具合やモチベーション
バレエでは、そこは特に顕著に出るな~と、経験から思います。
まだ準備ができていない、気持ちもついていっていない子どもに、親の方が一所懸命になりすぎるのも。。ね。
ただ、バレエ教室の先生はプロなので、小さいうちから素質のある子や身体条件の良い子はある程度わかるようです。
その子をコンクールに出したいがために、他の子も一緒に参加しませんか?となるケースも無くはないです。
そこは親としてはしっかり見極めておきたいところです。。
なかなか難しいところではありますが、、
そのためには、小さいうちはレッスンを見学できる教室であれば定期的に見学することも大事。
始めはよくわからないレッスン内容も、何度か見ているうちに少しずつ理解できるようになります。
小学生くらいのうちは、上達の早い子、遅い子、さまざまです。
周りの子と比べてうちの子はのんびりしてるな~と思っても慌てないことが大切。
案外そういう子の方が、高学年~中学生くらいになってスイッチが入るとグッと上達したりするのを何度もみています。
見学の際に気を付けることは、子どもに注意したり、あれこれ口出ししないようにすること。
指導はあくまで先生におまかせするスタンスが大事です。
子どもにどうだった?と聞かれたら、「頑張っていたね。」とレッスンに向き合う姿勢を誉めてあげるといいんじゃないでしょうか。
- 定期的にレッスンを見学して、子どもの成長を見守る
- ほかの子と比べてできていなくても慌てない
- レッスンに向き合う姿勢を誉めてあげる
2.コンクールのレベル
トゥシューズを履かず、バレエシューズで参加する「プレコンクール」から、プロが参加するような「国際コンクール」までさまざまです。
これに関しては、子どもの年齢やレベル、目標や目的によっても出場するコンクールがかわってきます。
ここは、素人な保護者としては、教室の先生と相談して決めていく必要があると思います。
とはいえ、親としても多少勉強しておくことも大事です。
バレエコンクールの種類とレベルについては、下記の記事でまとめています。
参考にしてみてください。
3.バレエ教室の方針
今は推奨派の教室の方が多いかもしれませんね。
ここに関してはバレエ教室の先生の方針になります。
教室選びの際に確認しておきたいポイントでもありますね。
教室によっては、コンクール出場をどんどんすすめてくるところもあります。
生徒のモチベーションアップのためといった意味合いもありますが、報酬目当てのところもあるようなので注意が必要です。
(コンクールレッスンには別途レッスン代がかかります)
個人的には、あまり小さいうちからコンクール出場を促してくる教室はあまりお勧めしません。
4.家庭の経済的事情
コンクールに出場するにはそれなりの費用がかかります。
経済的余裕がたっぷりあるご家庭なら、そこは気にせずいくらでもどうぞ~ですが、
そうでない場合は長い目で計画的にいくことをおススメします。
子どもがバレエを習う目的にもよりますが、この経済的事情を考慮するのであれば、
下記のことが必須かなと思います。
- あまりに小さいうちからのコンクール出場は不要
- こどもの成長に合わせたコンクールを選択
- 年間予算を決める
あくまで私の個人的な意見ですので、参考程度に読んでくださいね。
①あまりに小さいうちからのコンクール出場は不要
小さいうち(小学校低学年くらいまで)のコンクールは不要と私は思っています。
子どもの成長度合いが気になる場合は、小学校4年生くらいから年に1回くらい居住地に近いところで開催されて、ジャッジシートがもらえるなど成長につながるなどの配慮のあるコンクールならエントリーするのもありかと思います。
(要するに、費用は最小限で意義のあるコンクールを選ぶ)
このくらいの年齢でコンクールに出てみて、本人のやる気スイッチが入る場合もあれば、
苦手だなと思う子もいるかもしれません。
後者の場合は、その後も本人の意思が無ければコンクールに出る必要はありませんし、
他にもっと好きなことや別に集中できることに目を向けることもよいと思います。
②こどもの成長に合わせたコンクールを選択
バレエのスイッチが入った子は、プロになりたいと言い出すかもしれません。
そうなってきた場合、今の日本ではコンクール出場は必須になってくるかもしれません。
なので、費用面もしっかり考えて計画していく必要があります。
教室の方針やお友達の動向につられて参加することが無いように、
こどもの成長に合ったコンクールを選びましょう。
例えば、
- 小学5年生~中学1年生:
年に1~2回。地元のコンクールと全国コンクールのふたつ - 中学2年生から高校1年生:
上記に加えてスカラシップつきのコンクールに年1回
などといった具合です。
③年間予算を決める
②の『子どもの成長に合わせたコンクールを選択』にもかかわってきますし、
発表会の有無、その年の家庭のイベントなどによっても違ってくると思います。
例えば、
- 小学生の間は年間20万円まで。
- 中学生の間は年間40万円まで。
といった具合です。
こうやって決めておいたとしても、基本的に予算オーバーすると考えておいた方がよいかとは思いますが、全く考えておかないともっと大変なことになります汗(経験あり)
目的と目標
バレエコンクールへの参加を決める上で、このふたつは子どもに考えさせておきたいところです。
周りのお友達も出ているから、先生に出てみない?と言われたからという理由だけではなく、主体的な本人の思いが必要かと思います。
コンクールレッスンは、普通のレッスンとは違います。
本人が主体性をもってのぞまなければ、せっかくの上達のチャンスも逃してしまうことになりかねません。
目的
目的とは、目指す最終的なゴールのことです。
例えば、
- 将来プロバレリーナになりたい
- 将来バレエの先生になりたい
- コンクールでスカラシップをもらって留学したい
- 舞台で緊張せず踊れるようになりたい
などといった具合です。
目標
目標とは、目的を達成するための具体的な手段のことです。
例えば、「将来プロバレリーナになりたい」という目的(夢)を達成するための具体的な手段として
例えば、
- 基礎を身体に叩き込む
- 技術を磨く
- 表現力を観につける
- メンタルを強くする
- 人間性をアップさせる
といった具合です。
そしてそれらを更に細分化してより具体的な目標を作ることもおすすめです。
メジャーリーガーの大谷翔平選手が実践していたことでも有名な『マンダラチャート』は、ぜひ活用してみてほしいところです。
見たことのある人も多いのではないでしょうか。↓↓
【マンダラチャート(目標達成シート)】
さすが大活躍しているメジャーリーガー。
高校時代に、野球部の監督から教えてもらって作ったという
このマンダラチャート=別名『目標達成シート』
バレエの世界でも応用できそうですよね。
年代別・コンクールとの向き合い方
ここからは、年代別のコンクールとの向き合い方を考察しています。
小学校低学年以下
何度も言いますが笑、わたし個人としては、この年齢でのコンクール参加は不要と思っています。
それでも、どうしてもチャレンジしたい!と子どもが希望し、親も経済的に余裕があるならどうぞといったところです。
とはいえ、そもそもこの年齢で出場できるコンクールはそこまで多くはありません。
- もっと舞台で踊ってみたい
- 子どもが舞台で踊っている姿を観たい(親の希望)
- 子どもの成長を確認したい(親の希望)
- プレバレエコンクール
小学校高学年
少しずつ基礎も身についてきたこの年代であれば、レベルに合ったコンクールを選んで出場してみることも有りかなと思います。
ただ、年に何度もあれこれ出る必要はありません。
本人のためになるコンクールをしっかり見極めてエントリーしたいところです。
- 自分の踊りの習熟度の確認
- 舞台でひとりで踊ることを経験し慣れる
- コンクールまでのレッスンによるレベルアップ
- 精神的成長
- プレバレエコンクール
- 地元開催コンクール
中学生
この年代でバレエコンクールに挑戦する子は、自分の将来の選択肢のひとつにプロのバレエダンサーを夢見ている場合も多いと思います。
個人的には、最も積極的にコンクールに挑戦すべき年齢と感じています。
素質のある子、身体的条件の良い子は、この年代でスカラシップをもらって短期留学するケースもあったりします。
とはいえ、限られた予算の中ではエントリーするコンクールを厳選したいところです。
一般的に、高校受験という進路選択が目前に迫ってきている中3の夏ころまでは、
結果が伴わなくても応援してあげてください。(部活もそうですよね)
- 海外バレエ学校のスカラシップ授与
- 大きなコンクールで自分の実力を試す
- コンクールレッスンでのレベルアップ
- 自分がバレエダンサーになれそうか可能性のジャッジ
- スカラシップあり国内コンクール
- 老舗国内コンクール
- 地元開催コンクール
高校生以上
この年代でバレエを続けている人の中には、バレエダンサーをめざしている人もいるでしょうし、先生をめざしている人、趣味で続けている人などいろいろと思います。
その中でコンクール出場を考えるのは、バレエダンサーをめざしている人と先生をめざしている人でしょうか。
バレエダンサーをめざす場合は、海外なのか国内なのかによってもエントリーするコンクールが違ってくるかと思います。
先生を目指す場合は、経歴に箔をつけるために入賞しやすいコンクールに出るといったこともある意味必要になってくるかもしれません。
- 海外バレエ学校スカラシップ授与
- 海外バレエ団研修権授与
- 上位入賞
- スカラシップあり国内コンクール
- 国際バレエコンクール
- 老舗国内コンクール
- 全国開催国内コンクール
ただし、海外のバレエ学校留学を目指すのであれば、コンクールに出続けることはあまりお勧めしません。
バレエ学校やバレエ団のオーディションを直接受けてみることも視野に入れてみてください。
国内バレエ団をめざしている方も、積極的にオーディションを受けましょう。
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まとめ
今の日本のバレエ教室、ジュニアバレリーナ(大人も)の世界では、本当にコンクールが盛んに行われています。
バレエは、舞台で踊って観客に観てもらうという芸術なので、そういった意味でコンクールは、頑張ってきた成果を発表する場になっていたりする気もします。
発表会以外にもそういった場があれば、レッスンにも力が入りますしモチベーションも上がりますよね。
それならそうと割り切ってコンクールへ参加、チャレンジすることもありなのかなと思ったりはします。
ただ今回は、コンクールの本質という観点から考察してみました。
バレエコンクールへの出場を考えているお子さんがいる保護者の方の、コンクールに対する考え方やお子さんとの向き合い方で、少しでも参考になることがあったら嬉しいです。